keisukeのブログ

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継ぎ足しのタレは数学的に意味がある2nd

先日の記事 (継ぎ足しのタレは数学的に意味がある) に
「タレの濃度を保存する目的なら、レシピを作ってそれに従うべきでは?」
という突っ込みが入ったので、再シミュレーションしました。

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青が継ぎ足しの場合、赤が作りなおす場合です。
見方にもよるので断言はできませんが、
継ぎ足し作り直しよりも
ブレ幅が小さいと言っていいのではないでしょうか。

ツッコミでの指摘のように、
「タレを継ぎ足して使うような料理人がレシピを作って毎回それを参考にしながら
タレを作る」という状況は個人的にはあまり考えにくいのですが、
確かに前回の設定は割りと恣意的でした。

それは、新たに継ぎ足す(or作りなおす)タレの濃度が、その日のタレの濃度のみ
で決定する点です。
つまり、前回の設定では、料理人は以前のタレの濃度をまったく記憶することができませんでした。
さらに、前回の設定では、誤差は拡大するばかりですが、
実際のところは例えレシピを見ていなくとも一定以上の誤差の拡大はありえないはずです。
(「大さじ一杯」の量が日によって微妙にブレるのはあり得るけれど、それがいつの間にか
「大さじ二杯」になっちゃうのは考えにくい)

そこで今回は、継ぎ足すにせよ作りなおすにせよ、
「新たに作るタレの濃度は、創業当時のタレの濃度から
平均0・標準偏差0.01の正規分布でブレる」
という設定にしました。

基本的な設定は先日の記事とほぼ同じです:
・創業時のタレの濃度を0.1とおく
・一日に割合c(c=0.1)だけタレが使われる
・継ぎ足す場合は、毎日使われた分量だけタレを新たに混ぜる
・作りなおす場合は、タレが切れるまで(この場合、毎日c=0.1だけ使われるから、10日ごとに)一から作り直す。

前回の記事での「主観的な強い仮定」に突っ込みが入ったので、以下のように修正しました:
・継ぎ足す場合でも作り直す場合でも、新たに作ったタレは創業当時のタレの濃度から少しぶれてしまう。
・そのブレeは平均0、標準偏差0.01の正規分布に従う。

今回の設定では前回ほど誤差が顕著に出ないので、グラフを見やすくするために
100日分のシミュレーションをそれぞれ10試行と、
期間も短く試行回数も少ないです。
しかし、今回の設定だと、継ぎ足しでも作り直しでも、
無限期間のシミュレーションをおこなっても誤差は絶対に拡大しない
のであまり問題ないでしょう。

勿論、誤差が拡大しないとは言っても、誤差の現れ方が同じになるわけではないです。