keisukeのブログ

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継ぎ足しのタレは数学的に意味がある

よく、2chとかで
「創業以来継ぎ足しのタレは意味が無い。
なぜなら、創業時のタレは数ヶ月もしたら分子レベルで消え去るからだ。」
(参考:http://sci-tech.jugem.jp/?month=200901http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1272793082など)

って話があるけど、実際に重要なのは味のブレ、つまりタレの濃度なのでは?
と思いシミュレーションしました。
f:id:kaisk:20140713151325p:plain

青が継ぎ足しの場合、赤が作りなおす場合です。
タレの濃度で言えば、継ぎ足すことで相当意味がありそうだと感じます。

詳しい設定:
参考URLの設定にしたがって、
・創業時のタレの濃度を0.1とおく(別になんでもいいんですが)
・一日に割合c(c=0.1)だけタレが使われる
・継ぎ足す場合は、毎日使われた分量だけタレを新たに混ぜる。
・継ぎ足さず、作りなおす場合は、タレが切れるまで(この場合、毎日c=0.1だけ使われるから、10日ごとに)一から作り直す。
ここまでは納得してもらえると思います。
ここからが少し強い、主観的な仮定ですが、
・継ぎ足す場合でも作り直す場合でも、新たに作ったタレはその日のタレの濃度から少しぶれてしまう。
・新たに作ったタレの濃度は、その日のタレの濃度のみに影響をうける(マルコフ連鎖的な)
・そのブレeは平均0、標準偏差0.01の正規分布に従う。
とします。新しいタレはその日のタレを味見しながらそれに近づけていくことで作るんじゃ
ないかと思いますので、こういう仮定を置いています。
すなわち、n日目のタレの濃度をr_nとすると、
r_{n+1} = (1-c)r_n + c*r_n(1+e)
    = r_n * (1+ce) (継ぎ足しの場合)
r_{n+1} = r_n * (1+e)  (作りなおす場合)
となります。
ただし、作りなおす場合は、10日に一度だけしか作り直しません。
10日間同じタレを使い続けて、なくなったらまた最初の分量だけ作りなおすということです。

これを約20年間、7000日のシミュレーションを100回ずつおこなったのが先ほどの画像です。

ポイントは、継ぎ足しの場合、誤差eにcが係数として掛かっていることです。
xが確率変数、aが定数の時、
Var(ax) = a^2*Var(x)
ですから、この継ぎ足しの場合の誤差の分散
c^2 = 0.01
倍されるわけです。
つまり、作りなおす場合の分散は0.01^2=0.0001、継ぎ足しの場合の分散は0.01^2*0.01=0.000001
ですので、標準偏差でいうと
sqrt(0.000001) = 0.001
となるわけです。